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インナーチャイルドの解放。。。
今日は一般論ではなく、
私自身のこと。
声をかけていただき、
この公演を観てまいりました。
広島原爆の日、ということで、
もちろん、辛い、悲しいドラマ、ということは、予想していたのですが・・・
お二人の演技に、初めから引き込まれ、
そして、私が、最近気づいてしまっていた
『自分がどこかで幸せになってはいけない』と思っている
奥深くにあるインナーチャイルドのくせ。。。
わかってはいても、それが取れずに困っていたのですが、
まさか、そこに影響させていくきっかけになるドラマになるとは思ってもいませんでした。
ドラマが始まり、ストーリーが進んでいくうちに、
主人公美津江の、
原爆で一人生き残った負い目からくる
「自分が幸せになってはいけない」
という思い。
恋のときめきからも身を引こうとする。
そこに、すでにこの世の人ではない父が現れて、
『恋の応援団』として励まし、
父の思いが底なしの絶望から、娘を蘇らせる。
この二人のセリフ一つ一つが心に刺さり、
初めから、最後まで、涙がとまらず。。。
涙の一番の理由は、
私は子供の頃、
青春時代を戦争に捧げた祖父に、
休みのたびに、戦争の話を聞かされ、
それがとても辛くて、
あまり聞きたくなく、
祖父が話し始めるのを、やめてもらうこともできなかったので、
何度も聞かされましたし、
戦争映画もよく流れていました。
(これからますます戦争体験をした方々がいなくなり、
私たちの年代が、戦争の話を聞いてきた最後の世代になってしまうのでしょうか)
いつも祖父や、叔父からも戦争のことを聞かされていた私は、
実はこの美津江さんと同じ、
「戦争でこんなに大変な思いをして命を無くした方がたくさんいるのに、私は幸せになってはいけない」という思いが、
自分の意識していない幼少期に入ってしまっていたことに、
このドラマで、何度も何度も父親が美津江に幸せになって欲しくて励ましても、
その気持ちを受け取れない美津江と私が重なってしまって、
まさか、今日、
自分の中に深く影響させてしまっていることだったということを気付く日になるとは、
全く思ってもいませんでした。
この深層心理の意識することさえ忘れてしまっていたことが、
今の自分を作っていたとは・・・。
そして、この美津江の父親の思いが
昨年他界した、私の父とも重なり、
やっと、やっと、
〜これからは、本当の幸せを受け取っていい〜
ということを、自分に許せた日になりました。
戦争は、何代も、人の人生を苦しめるもの。
どんな形だろうと、やってはいけないこと!
『父と暮らせば』
この語り継がれている公演。
来年は、たくさんの方をお連れしようと思っています。
そして、インナーチャイルドの解放によって、
一人でも多くの方が、
幸せな人生を送れますように。。。
2019・8・6
広島原爆の日
『父と暮らせば』
「いつまでも被害者意識にとらわれていてはいけない。
あのころの日本人はアジアに対しては加害者でもあったのだから」という人が
ふえてきた。
たしかに後半の意見は当たっている。アジア全域で日本人は加害者だった。
しかし、前半の意見にたいしては、あくまで「否!」と言いつづける。
あの2個の原子爆弾は、日本人の上に落とされたばかりでなく、
人間の存在全体に落とされたものだと考えるからである。
あのときの被爆者たちは、核の存在から逃れることのできない
20世紀後半の世界中の人間を代表して、地獄の火で焼かれたのだ。
だから被害者意識からではなく、世界54億人の人間の一人として、
あの地獄をしていながら、「知らないふり」することは、
なににもまして罪深いことだと考えるから書くのである。
井上ひさし(新潮社版より)